軽度認知機能障害(MCI)
- #脳神経内科
認知症とは記憶障害や計算障害、失語、思考能力や判断力の低下などの症状により、日常生活に支障をきたした状態をいいます。一方、日常生活に支障をきたすほどではなく、したがって認知症といえないものの記憶障害やその他の高次脳機能障害があり、正常ともいえない状態になっている方もおられます。このように正常と認知症の中間に位置する状態を軽度認知障害(mild cognitive impairment、MCI)と呼びます。軽度認知障害のうち70%の方は、その後認知障害が進行して認知症に移行することが分かっており、認知症の前段階として注目されています。
現在、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症を完治させることはできませんが、できるだけ早期に薬物療法や認知リハビリを行うことで進行を遅らせることは可能です。軽度認知障害の段階から専門医を受診し、治療や生活上のアドバイスを受けることが望まれます。